工場派遣・期間従業員（期間工）に関するコラムや雑記、あるあるネタなど

Aさん：およそ3年は非常に長いですね。
その時、実は借金がありまして。
思い起こせば借金問題に悩まされる日々から解放されるために、友人から勧められた一筋の光。わらをもつかむ勢いで応募した思い出があります。

期間工に対しての抵抗は無かったものの、工場勤務という事には少なからず抵抗があったあの日です。どんなことをさせられるのかっていうイメージが掴めなかった思い出があります。

今では再び借金落ちしないかをいう不安と日々闘っております。

でも今はもし借金落ちになりそうならまた期間工という選択肢が僕の中にはあるので人生に対してゆとりが一つ出来ましたね。

Aさん：「頭は使わず体を動かすだけでいい」ということは、斬新な仕事でした。

僕は新卒で入社した会社が、日々終電で帰るような片足ブラックに突っ込んだような会社だったんです。
いや今のご時世で言えば完全なブラック企業といってもいいと思います。

分からない事を聞けば、

「そんなもん自分で調べろや！」

というのが常識で、

「言われんでもやれや！」

という理不尽さの横行する会社だったんです。

三つ子の魂百まで、それが僕の働く事の常識になりました。

残業代はもちろん制度としてはあるものの、

「残業もらえる働きをしたんか？」

という謎の名文句をもらい、残業代申請は結局1度もしませんでした。

Aさん：それがトヨタの期間工になったとたん、

「教えてもらってない事はやるな！」

「言われてない事はしないで！」

「残業はしっかりつけて」

と言われました。

前の会社と比較したらいかに期間工がホワイトか分かりますよね…最初の違和感は半端じゃなかったです。

私の友人も期間工になることについて心配してくれていたんですが、友人へのスカイプ履歴にも、

「超ホワイトでビビる」

という環境への驚きが記録されてるくらいです。それはある意味感動的な出来事でした。

Aさん：僕自身、何ができるわけでもない未経験者として期間工の道にいきました。

ちょっと人よりパソコンが得意だったり、口達者な性格だから、他の期間工をダシにして、ただいい子ちゃんを演じていたんだと思います。

上司に気に入られる動きをする、それがほかの期間工たちと比べられる事に優越感を覚えていたんだと思います。ぶっちゃけ、調子に乗ってたんだと思います。

でもそれが凄く居心地が良かったというか、社会人になって以来初めて必要とされる可能性を見いだせたというか、「お前すげぇな」って言ってもらえる事のうれしさがあったんだと思います。
承認欲求が満たされる感覚を覚えてしまって、仕事を楽しいって純粋に思っていました。

（退職直前に分かった事ですけど、上司が僕の出身校が超名門だと勘違いしてくれていたからという事もあるらしい）

寮生活とか、通勤とか、色々思う事はあったけれど、「いい子ちゃん」でいられるトヨタの環境っていうのは、すごく居心地が良かったです。

Aさん：期間工として、という事でもないですが、あの環境にもう一度身を置きたい、と思う気持ちは正直あります。日々同じことの繰り返しの中で、やれることを見つけられて、評価してもらえるあの環境は、辞めてしばらく経つ今でも、他の仕事よりは魅力が大きいんですよね。

じゃぁ社員になってその評価を得続けられるかというとまた別の話かもしれませんが、友人や知人の手前、

「もうあんな環境いやですね」

とは笑って言うものの、そこに身を置く自分が、自分の人生として正解なんじゃないかとも思っていたりしてます。

やりたい事が無いわけじゃないから、今こうして外の環境にいるけど、いつまでこうしていられる？という不安な気持ちも背中を押させているんだと思いますね。

なので、満子さんの質問に対しては「YES」ですね。

Aさん：先日、トヨタから再応募の手紙が届きました。

「もう一度期間工になりませんか？」

というお誘いです。

実家から離れて暮らしているんですが、その手紙が届いたと実家から電話をもらった時に、

「もう戻りたくないわ」

と笑いながら親に言ったものの、

「（捨てずに）とっておいて」

と言ってしまう自分がいたのも事実です。

トヨタ自動車の期間工フル満了は2年11ヶ月。正直とても長い期間に感じられるけど、あの居心地の良かった環境を思えば、やはり「期間工は人生のセーフティネットだな」と感じてしまいます。

日々そこに身を置くと、肉体労働な部分もあるので体力的にしんどかったりするので、やっぱり大変だなと感じるのも分かってるけど、なんだかんだで、あの2年11ヶ月って、自分の中では楽しかったんです。

ちょっとしみじみとした文章になりましたが、僕にとって期間工は、結構いい思い出として残っています。